残業代・労働法2026-07-078 min

【2024年最新】残業代の計算方法を完全解説!固定残業代・育休手当との関係まで

残業代(時間外割増賃金)とは?

残業代とは、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働いた場合や、深夜・休日に勤務した場合に、使用者(雇用主)が労働者に支払わなければならない割増賃金のことです。労働基準法第37条により、その支払いは義務であり、正社員・パート・アルバイトを問いません。


残業代の計算方法(基本公式)

残業代は、次の公式で計算します。

残業代 = 1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間数

ステップ1:1時間あたりの基礎賃金を求める

月給制の場合、まず時間単価(基礎時給)を算出します。

基礎時給 = \frac{月給(基本給+諸手当)}{月の所定労働時間数}

> 例:月給250,000円、月の所定労働時間が160時間の場合 > - 基礎時給 = 250,000円 ÷ 160時間 = 1,562.5円/時間

※「月給」から除外できる手当(家族手当・通勤手当・住宅手当など)は計算に含めません。

ステップ2:割増率を確認する

残業の種類条件割増率計算倍率
法定時間外労働1日8時間 / 週40時間超+25%×1.25
深夜労働22:00〜翌5:00+25%×1.25
深夜残業深夜かつ時間外+50%×1.50
法定休日労働週1日の法定休日出勤+35%×1.35
月60時間超の時間外大企業は+50%(中小は猶予あり)+50%×1.50

ステップ3:残業代を計算する

> 例:基礎時給1,562.5円のスタッフが平日に3時間残業した場合 > - 残業代 = 1,562.5円 × 1.25 × 3時間 = 5,859円


固定残業代(みなし残業代)とは?

固定残業代(みなし残業代)とは、「毎月一定時間分の残業代をあらかじめ給与に組み込んで支払う制度」です。求人票に「固定残業代 ◯◯時間分 ◯◯円含む」と記載されている場合がこれにあたります。

固定残業代の計算方法

固定残業代が適法かどうかを確認するには、以下の式で「1時間あたりの固定残業単価」を計算します。

固定残業の時間単価 = \frac{固定残業代の金額}{固定残業時間数}

この単価が、実際の基礎時給 × 1.25 倍以上でなければ、固定残業代の設定自体が違法(未払い残業)となります。

> 例:月給280,000円(うち固定残業代30,000円・30時間分)の場合 > - 基本給部分: 280,000 - 30,000 = 250,000円 > - 基礎時給: 250,000 ÷ 160時間 = 1,562.5円 > - 法定残業単価: 1,562.5 × 1.25 = 1,953.1円/時間 > - 固定残業の時間単価: 30,000 ÷ 30時間 = 1,000円/時間 > - 👉 1,000円 < 1,953.1円 なので、この固定残業代の設定は違法です

固定残業時間を超えた場合の対処法

固定残業代が適法に設定されていても、固定残業時間を超えて働いた分は、追加で残業代を請求する権利があります

例えば固定残業が「30時間分」で実際に45時間の残業をした場合、15時間分の残業代が別途支払われる必要があります。給与明細で固定残業代の超過分が支払われていない場合は、会社に確認を求めましょう。


育休手当(育児休業給付金)の計算:「いつの給与」が使われる?

育休中に受け取れる育児休業給付金は、ハローワーク(公共職業安定所)から支給されます。その計算の基準となる「給与」が「いつのものか」は、多くの方が疑問に思うポイントです。

計算の基準となる給与期間

育児休業給付金の支給額は、育休開始前2年間のうち、完全月(賃金支払い基礎日数が11日以上ある月)が12ヶ月以上ある場合に支給されます。

支給額の基準となる「休業開始時賃金日額」は次の通り計算されます。

休業開始時賃金日額 = \frac{育休開始前6ヶ月間の賃金合計}{180日}

> 例:育休前6ヶ月の賃金合計が1,500,000円の場合 > - 賃金日額 = 1,500,000円 ÷ 180日 = 8,333円/日

育休手当の支給額

育休期間給付率計算式
育休開始〜180日目賃金日額の67%賃金日額 × 67% × 支給日数
181日目〜育休終了賃金日額の50%賃金日額 × 50% × 支給日数

> 上記例の場合(賃金日額8,333円) > - 最初の180日:8,333円 × 67% ≈ 5,583円/日(月換算 約167,490円) > - 181日目以降:8,333円 × 50% ≈ 4,167円/日(月換算 約125,010円)

残業代は育休手当の計算に含まれる?

はい、含まれます。 育休手当の計算に使う「育休前6ヶ月の賃金合計」には、残業代(時間外手当)も含まれます。残業が多い月は賃金日額が上がるため、育休手当も増える仕組みです。

ただし、賞与(ボーナス)は原則として計算に含まれません。また、育休取得の直前に残業や手当が急増した場合でも、過去6ヶ月の平均が基準となるため、急激な増加は反映されにくいこともあります。


よくある残業代の未払いパターンと対処法

残業代が正しく支払われていないケースは非常に多いです。以下に代表的なパターンを挙げます。

  1. 「アルバイトだから残業代はない」 → 雇用形態に関わらず、法定時間外労働への割増支払いは義務です。
  2. 「固定残業代に含まれている」 → 固定時間を超えた分は追加支払いが必要です。
  3. 「タイムカードを打刻した後も仕事をしていた」 → 実際の労働時間が証拠になります。メール・LINEの送受信記録、PCのログも有効です。
  4. 「休憩中も電話対応していた」 → 使用者の指揮下にある時間は「労働時間」に含まれます。

未払い残業が発覚した場合は、労働基準監督署への申告や、弁護士・社労士への相談を検討しましょう。過去2〜3年分(2020年4月以降の分は3年)の未払い残業代を遡及請求できます。

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